渓流ルアー オオスズメバチと尺ヤマメの群れと40cmオーバーのヤマメとカモシカの子供
大ヤマメ釣りには厳しい季節になった… 体中汗まみれで蜘蛛の巣まみれで泥まみれ… おまけに体中に虫もつく…
起床時間は5時。
昔は県外の渓流にも行っていたので
朝はもっと早く起きていたけど
最近は近場の河川ばかりだ。
そういえばふとある川のサクラマス
釣り師との話を思い出した。
遠征に行かないのか?の質問の
答えが
「一日200本近く釣れる川なのに
他の川に行くことね~べ!」
「釣れなくても毎日通えば魚は
いるんだからそのうち釣れるさ!」
ごもっともですな。
でかい渓流魚が釣りたいならば実績の
ある川に釣れるまで通えばいいのだ。
もちろん簡単になんて釣れる訳は
ないしボウズは当たり前だろう。
それでも通えばいい。
釣れなさすぎて心が半分折れる事も
あるだろう。
釣りたいならそれでも無理やり身体
を起こして川に行くしかないのだ。
(私のことだな…)
川に到着し用意を終えた。
川に降りる前に周囲を警戒する。
最近オオスズメバチの偵察がたまに
飛び回っているのでヤバいのだ。
今日はいないようなので安心した。
熊鈴を鳴らしながら林道を歩き始める
とすぐに視界に入った。
いるじゃん!今日も!
オオスズメバチの偵察一匹。
やべ~な…
どうしよう…
先に進まないと川に降りる場所がない。
行くしかないよな…
そーっとオオスズメバチの後ろを
通り抜ける。
何かに夢中になっているから
気づかれないはずだ。
通り過ぎてから振り返ってみた。
ぎゃあああ追ってきてる!!
デカイよ!怖いよ!
朝から全力疾走だ。
そしてキャップのツバの上に載せた
偏光サングラスが落ちた。
サングラスを拾った瞬間オオ
スズメバチと目が合った。
顔こえ~よ!
速攻で拾いまた全力疾走。
林道脇の藪に飛び込んでしゃがむ。
静かに音をたてないようにして5分
ほど待ってみる。
そ~っと藪から顔を出して周囲を
見渡してみる。
いなくなったようだ。
とりあえずホッとして落とした
偏光サングラスを見てみる。
傷だらけの偏光サングラスが
さらに傷だらけに…
まあ…レンズが外れたり割れたり
してないからよかった。
以前に転倒&転落したときの傷と
レンズの剥離もあるので多少傷が
増えてもそれほど気にならない。
右のレンズが3~4箇所剥離している
箇所があるのだ。
広がってきたら買い換えようと
思っているけどなかなか広がらない。
レンズは渓流ルアー=ブラウン系
なんだろうけど日の当たる場所が
多い大渓流なので偏光レンズは
タレックスのグレー系を使用
しています。
朝マズメや夕方や日陰だと暗く
感じるけど慣れたので割と平気です。
渓流ルアーのみなさんこれからの
季節は熊にも注意だけど
スズメバチ
にも注意してね。
気を取り直して藪から出て林道を
進み川に降りる場所に到着。
藪こぎして川を目指す。
この時期の蜘蛛の巣は強力だ…
顔の前で拾った枝を上下に振りながら
進むが石に掴まったり木に掴まったり
するたびに蜘蛛の巣に捕まる。
顔中蜘蛛の巣まみれだ…
なんとか藪を突破して川に出る。
深瀬から続いた深トロを覗く。
いた!尺ヤマメ6本に25cmクラス
のヤマメがペアリングのように
寄り添っている。
え?ん?
どういうこと?
川の中はもう秋なの?
とりあえずミノーを沈めてレンジ
を合わせてトゥイッチ。
ガン無視…
もう一度チャレンジ。
ガン無視…
ルアーを代えてチャレンジ。
ガン無視…
スプーンでチャレンジ。
避けられる…
だめだこりゃ
群れがバラけないと無理だ。
それと上流に上っていくタイミング
が絡まないと釣れない。
尺ヤマメの群れは諦めて山の中を
上流に向けて歩き回る。
藪を掻き分け竹やぶ掻き分け進む。
そっと深瀬がひらいていく場所を
見てみる。
何かが視界に入る。
気のせいかな?と思い汗で曇った
偏光サングラスを首に巻いた
タオルマフラーの端で拭って
もう一度見てみる。
いた!しかもデカイ
40cmオーバーのヤマメだ。
対岸の流れの強いところとゆるいところ
を上下に泳いでいる。
少し下には岩のエグレ。
なるほどね!そこが住処ね。
どうやって狙おうか…
流れが速いし水押しも強いから川を
渡って下流から直アップで狙うのは
無理だ。おまけに深い。
立てる場所も一箇所しかない…
とりあえず山の中から川の立てる場所
に向かって降りてみる。
降りてみてあらためてポイントを
眺める。
デカイのがあいかわらず流れを
上下に泳いでいる。
ベタ底の流れだ。
う~ん…とりあえずスプーンの横の
ターンかな?
深いし流れが強いのでBiteの10gを
ボックスから取り出す。
デカイのが下に下がってくる
タイミングを見計らってアップクロス
にスプーンを投げて沈めながら流れに
のせてデカイ奴の前でターンさせる。
ガン無視…
何回やってもガン無視…
まいったな…
千載一遇のチャンスだからそう簡単
には諦められない。
他に手はないか?
深いし流れが強いからプラグじゃ無理
なんだよな。上っ面しか流せない。
鉄板バイブ?違うな…
縦のターンか?うまく流せるかな?
他に手はないからやってみるしかない。
スプーンが左右にズレるとダメだから
今度はBUCH SPECIALの10gに代える。
アップクロスに投げてスプーンを沈め
ラインを流れにつけて沈めたスプーン
を引っ張る。
デカイ奴が定位して上下に泳いでいる
であろう場所でロッドを上流側に
倒してスプーンを縦にターンさせる。
何回も流しなおす。
そしてとうとうデカイ奴が反応した。
ブワッと太い腹がひるがえる
が…当たりは無し…
見切られた…
その場に崩れ落ちた。
トボトボと藪こぎして山の中に
戻り山の中を抜けて車に戻る。
足取りは超重い…
やっちまったな…
見切りさせてしまった…
ありゃ~秋に相当良いタイミング
にならないとルアーを追わない。
まいったね…
挙げ句に今日もブラインド以外は
チェイスが見えれば小さいヤマメ
は掛けないようにしているので
完璧なボウズである。
ほぼ毎回この流れだ…
車に戻り昼飯のカップラーメンを食う
のに湯を沸かす。
川と山の中を歩き回ってドロドロの
まま更にカップラーメンを食って
ドロドロになる。
「これぞ渓流釣りか!」
カップラーメンを食いながら
肩を移動している尺取虫を指に
載せて葉っぱの上に逃がす。
顔を上げるとカモシカとヤギが
いた。
え…ヤギ?
いやいやそんなはずはない。
もう一度よく見る。
カモシカの子供だ!
母カモシカにピッタリ寄り添っている。
初めてカモシカの子供を見たけど
小さいうちは体毛は真っ白なんだな。
大きくなるうちに汚れたり変色したり
して灰色っぽくなっていくのか。
なんかいいもの見た。
軽くカモシカに向かって手を振ると
民家の家の前を通り移動していく。
あらためて考えると割とシュール
な光景だな!なんて思った。
そりゃ~このあたりの人はね…
ああ!熊ね
って言うわな…
日常だからな。
ということでポンコツ渓流野郎の
とある日の出来事でした。
あいもかわらずボウズの連続。